2011年5 10
山頭火 春の旅 (1)

▽投げだしてまだ陽のある脚
▽木の芽草の芽あるきつづける
▽蕨がもう売られてゐる・昭和7年
▽今日の道のたんぽぽ咲いた
▽あるけば蕗のとう
▽ぬれるだけぬれてきたきんぽうげ
▽春風の鉢の子一つ
▽春が来た水音の行けるところまで
▽春寒のをなごやのをなごが一銭持つて出てくれた
▽もう逢へますまい木の芽のくもり
▽山ふかく蕗のとうなら咲いてゐる
▽あすはかへらうさくらちるちつてくる
▽春潮のテープちぎれてなほも手をふり
▽春の雪ふる女はまことうつくしい
▽雲のゆききも栄華のあとの水ひかる
▽ひつそりと蕗のとうここで休まう
▽ふつとふるさとのことが山椒の芽
▽たたへて春の水としあふれる
▽うらうら蝶は死んでゐる
▽投げ挿しは白桃の蕾とくとくひらけ
▽うららかにボタ山がボタ山に
▽泊ることにしてふるさとの葱坊主
▽ふるさとはちしやもみがうまいふるさとにゐる
▽風は海から吹きぬける葱坊主
▽ながれがここでおちあふ音の山ざくら
▽このみちいくねんの大栃芽吹く
▽鳥とほくとほく雲に入るゆくへ見おくる
▽酔へば物皆なつかし街の落花踏む・大正3年
▽波が風が濃く碧く漁舟吹き寄せたれ・大正4年
▽春夜寒し囚徒囲みて物いはぬ人人・大正4年
▽風につぶやきつぶやき泥鰌掘る男あり・大正4年
▽風の真昼を掻き均らす塩田の広さかな・大正4年
▽谷はいちめん木の芽伸ぶ中の花菜照る・大正4年
▽黙々として炭焼く男に細き雨かな・大正4年
▽煙ほそぼそ木の芽の雨に沁み入りぬ・大正4年
▽岩松の風の中交る小鳥かな・大正4年
▽島は音なく暮るるなり黙しをる二人・大正4年
▽木の芽さびしや旅人の袖に触れけり・大正6年
▽木の芽草の芽歩きつづける・昭和5年
▽けふはけふのみちのたんぽぽ咲いた・昭和5年
▽おみくじひいてもどるぬかるみ・昭和6年
▽ふるさとは遠くして木の芽・昭和7年
▽はや芽ぶく樹で啼いてゐる・昭和7年
▽笠へぽつとり椿だつた・昭和7年
▽みんな芽ぶいた空へあゆむ・昭和7年
▽しづかな道となりどくだみの芽・昭和7年
▽何が何やらみんな咲いてゐる・昭和7年
▽あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ・昭和7年
▽あざみあざやかなあさのあめあがり・昭和7年
▽あるけばふきのとう・昭和8年
▽ほととぎすあすはあの山こえてゆかう・昭和8年
▽いつとなくさくらが咲いて逢うてはわかれる・昭和9年
▽さくらまんかいにして刑務所・昭和12年
▽石に水を 春の夜とする・昭和13年
▽人に逢はなくなりてより山のてふてふ・昭和13年
▽気まぐれの旅暮れて桜月夜なる・大正3年
▽けふのみちのたんぽぽ咲いた・昭和5年
▽あたたかく人も空も・昭和5年
▽あたたかくて旅のあはれが身にしみすぎる・昭和7年
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本ホーページ掲記竅Eハ真・図表断転止。
防府()。